49冊目『自分の運命に楯を突け』岡本太郎
岡本太郎『自分の中に毒を持て あなたは“常識人間”を捨てられるか』三部作の二作目。
ゼロから読んだ場合、そりゃあ『毒を持て』の衝撃にはかないませんが、前著にも負けず劣らずパワーをくれる一冊でした。
熱くなりたいなら、滾りたいなら、迸りたいなら、三部作揃えて魂に刻み込んで欲しい。これ読んだらコロナで悩んでいる自分なんて情けなく思えてくるほど、燃える一冊です。
『自分の運命に楯を突け』岡本太郎
文庫:240ページ
青春出版社 (2016/4/9)
↓岡本太郎『自分の中に毒を持て』三部作一作目の感想・名言集はこちら
↓岡本太郎『自分の中に孤独を抱け』三部作最終章の感想・名言集はこちら
岡本太郎『自分の運命に楯を突け』の評価・どんな人にオススメか
『自分の運命に楯を突け』はこんな人にオススメ
- 日々の生活や仕事にストレスが溜まっている人
- 自分は普通の人間だと高をくくっている人
- 自分の殻を破りたい人・熱くなりたい人
- どこか、人生に停滞してしまっている感がある人
- 岡本太郎の言霊をゴツゴツくらいたい人
いじめられっ子、受験生、就活生、新入社員、伸び悩むサラリーマン、中間管理職、リーダー、社長、夫婦…人生におけるすべての悩みに対応。ようするに、悩めるすべての人間にオススメの一冊。
岡本太郎『自分の運命に楯を突け』をざっくり言うと
もう、全編を通してとにかく心を震わせ、熱くする魂の名言・金言の数々に圧倒されます。
前著『自分の中に毒を持て』は書き下ろしですが、本作と三作目の『自分の中に孤独を抱け』は、『週刊プレイボーイ』に1979年から1981年にかけて連載された「にらめっこ問答」をベースに再構成、2014年に新書判で刊行されました。
その違いもあってか、ストレートに自分に喝を入れられた気がする前著とは、ほんのわずかに雰囲気が違います。あくまで自分に向けた説教ですが、隣にも数人聴講者がいるような雰囲気。紙面説法という感じ。
しかしだからと言って他人事になるかと思えば、全くそんなことはありません。読みながら自分に足りない部分が赤裸々に剥き出され、状態になった所を周りの人にも見られているような、「恥」の感覚が読書中襲いかかります。
そして、「なんて自分を生きることができていないんだ…」と嘆く自分に、岡本太郎氏がそっと、
「人のことなんか気にしないで、キミ自身が英雄になればいいじゃないか!」
と励ましてくれますよ。
岡本太郎『自分の運命に楯を突け』の内容と活用方法
本書は五章ですが、一貫して「人間としてキミはどう生きる?」ということに関して説かれています。あまり深く考えず、人生に立ち止まってしまった時に読む心の処方箋(劇薬)として活用しましょう。
岡本太郎さん自体が、本当に突き抜けた、でも徹底して自分を貫き通した生き方をした人です。「自分の運命に楯を突け」まさにこの言葉そのもの。心が震えないわけがない。
しつこいようですが、人生におけるすべての悩みを吹き飛ばす、全人間におすすめの一冊です。自分で読むもよし、悩んでいる知人や部下、家族に贈るもよしです。三部作のどれをおすすめしてもOK。効果はてきめんです。
岡本太郎『自分の運命に楯を突け』名言集
数ある名言からいくつかピックアップしました。ぜひ本書を手に取り、実際の文章の中でこの言葉たちに出会って、震えて、何かが変わって欲しいなと思います。
人間は本来、孤独だ。
寂しい寂しいというのは、自分に甘ったれてごまかしているだけだ。それじゃあほんとうの闘いはできない。
できないんじゃない。自分でやらないと決めているんだ。自分には才能がない。自分は能力がないからと。
能力があるかないかなんて、だれにもわからない。自分を賭けることで力が出てくるのであって、能力の限界を考えていたらなにもできやしないよ。むしろ能力のないほうが素晴らしいんだ
個人差なんてない。人間はやろうと決意するかしないかだ。それだけで差が出てくるんだ。
一年の計でなく、一生の計は、三百六十五日毎日毎日、自分の存在の前にあることを知るべきだ。人間は瞬間瞬間に生きるんであって、瞬間瞬間に決意していかなければならないものなんだ。
自信とは得意になることじゃない。むしろ悲劇的になることだ。
人に見られている、と思っているときは、自分の心が人の目のかわりをやっているんであって、キミが人の目と思っているのは自分の“目”なんだ。
悩みのない人間なんていない。もしいたら、阿呆だ。悩みとのつき合い方を洗練させるんだよ。
たしかにきついよ。でも、はればれとした顔で立ち向かう。これがぼくの生きるスジだ。
純粋な心をごまかさないこと。キミ自身の、ユニークなつらぬき方を見つけ出してほしい。
“人生とはなんぞや”なんて観念的なむなしい言葉をひねくりまわす前に、“生きる歓び”をつかみたまえ。生きる強烈なつらさを体験したまえ。
この世に犬死になんてありゃしない。この言葉はくだらない。だが“犬生き”はある。
もしもこの世から“金“と“名誉”を捨てたら人間はどうなるか。ズバリ答えよう。金と名誉を捨てたら、人間の“生命”が残るんだ。つまり人間のほんとうの存在だけが生きる。
売れる絵を書こうとしたら買う人のレベルにあわせないといけない。
弱い人間は、やさしくはあり得ない。やさしさとは弱さであり、弱さをやさしさで隠しているだけだ、と考えているとしたら、それはちがう。もしほんとうに隠しきることができるんだったら、それは強さだよ。
強い意志をもっている人間はやさしい。
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岡本太郎『自分の運命に楯を突け』の目次
第一章 もっと「自分」をつらぬいてみないか
絶望だからおしまいなんじゃない。そこからはじまるんだ
もっと平気で、自分自身と対決するんだよ
ぼくはなにものにも期待しない。それがスジだ
この瞬間瞬間に賭ける。将来なんて勝手にしろだ
第二章 「すごい!」という感動が起爆剤だ
ほしいのは、マグマのように噴出するエネルギー
人間はその姿のまま、誇らしくなければならない
無条件な行動で嫌悪感を破壊する。それがコンプレックスの解消法だ
無目的に生きる。それがぼくの目的だった
第三章 キミも人間全体として生きてみないか
人間全体として生きることをパリで学んだ
ぼくは覚悟を決めて”勝てません”とハッキリ答えた
自分のまわりに垣根をつくって、外と溶けこめるはずがない
純粋に闘いあう相手、それが親友だ
第四章 下手でも自分自身の歌を歌えばいいんだ
本職は人間だ
他人が笑おうが笑うまいが、自分の歌を歌えばいいんだよ
鳴らない鐘があったっていいじゃないか
心が生み出したものは、職人芸よりはるかに素晴らしい
第五章 キミ自身と闘って、どう勝つかだ
自分と闘い、自分を殺す
いつでも新しく、瞬間瞬間に生まれ変わる。それが伝統だ
孤独こそ人間が強烈に生きるバネだ
構成者の言葉
時代を超えて魂を射ぬく。それが岡本太郎だ/平野暁臣
岡本太郎『自分の運命に楯を突け』の読了時ツイート
39冊目
岡本太郎『自分の運命に楯を突け』巨匠の生き様は、表面に血管が剥き出ている如く熱い。ウソがなく、真っすぐで、怖い位に人間だ。
生きているはずの私が、故人の巨匠より今を生きれてないなと猛省。すると「人のことなんか気にしないで、キミ自身が英雄になれよ」と、一発喝が入る。#読了 pic.twitter.com/LA0hd5Bk5F
— うまいごす@本でも読む怪 (@umaigos) April 18, 2020