12冊目『自分の中に毒を持て』岡本太郎
今回は日本を代表する芸術家、岡本太郎さんによる『自分の中に毒を持て』をご紹介します。
力強い言葉が連発する類稀れな名著です。
本書は三部作の一作目です。二作目『自分の運命に楯を突け』の感想・名言まとめ記事のリンクも下部にあります。
『自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか (青春文庫)』岡本太郎
文庫: 218ページ
出版社: 青春出版社 (1993/8/1)
↓岡本太郎『自分の運命に楯を突け』三部作二作目の感想・名言集はこちら
↓岡本太郎『自分の中に孤独を抱け』三部作最終章の感想・名言集はこちら
『自分の中に毒を持て』の成分表示(キーワード)
己を見つめて、命を燃やしながら「本当に生きる」ことを追求せよ、同調圧力なんて無駄なものからは離れて自分を尖らせろ、でも決して独りよがりになるのではなく、愛をもって全身で生きよ…熱いメッセージが怒涛の勢いで迫ってきます。
ジャンルとしては自己啓発書になりますが、本書は「人間啓発書」とでも呼ぶべき、時代を越えて読み継がれるべき魂の書である。そう言い切れる内容です。
『自分の中に毒を持て』を一言で言うと
とにかく、どの章を切り取ってもあふれる名言の数々。
芸術家・岡本太郎さんのことを知らない人も最近は増えてきたかも知れませんが、有名な「芸術は爆発だ」の言葉は知っている人は多いのではないでしょうか。大阪万博のシンボルとなった、太陽の塔の作者としても世界中の人々から知られています。
彼がどのような人物で、どのように人生を闘い生きてきたか?そんなことが垣間見える。
岡本太郎さんを知る知らないにかかわらず、本書を読めば何かしら心が揺さぶられることは間違いありません。座右の一冊に本書を挙げる人も、結構いるのではないでしょうか。
『自分の中に毒を持て』の内容
本書は4部構成。
- 自分を捉えて、再構築する方法
- 横並びの現代での個性の出し方
- 独りよがりでない、人の愛し方
- 常識人間の捨て方、人生を爆発させて生きるために
上記の構成で、人生を闘い、本当を追求する姿勢を熱く説きます。
「人生を闘う」。
シンプルな言葉ですが、油断すると楽な方に流れてしまう自分。
闘わない方が「今」ラクですが、そこに価値はあるのでしょうか?
自分は何を伝えて、生きて、死んでいくのか?
そう思うと背中に冷たいものが走ります。
甘えた価値観から、ほんとうの人生を生きる生き方に変える。
なんとなく、つまらない日常ではなく、すべてに疑問を持ち、本当とは何か?追求する姿勢。ヒリヒリと刺激的な人生を送ることができれば、失敗もあるでしょうが、何か世の中を一つでも良くして、生きた証を残せるのではないでしょうか。
『自分の中に毒を持て』の活用方法
すべてに疑問を持ち、闘って生きる姿勢。それは「そもそも」を問う、会社や事業のイノベーションに欠かせない思考法だと思います。
会社の社長や上司であれば、社員一人ひとりに1冊ずつ同時に買い与えて、「課題図書」として読ませると組織が一変するハズ。
本を読む文化がなくても大丈夫です。本書は難しい表現はほとんどありません。
本書にも登場しますが、岡本太郎さんはよく成人式で新成人になる若者たちによくスピーチを頼まれたそうです。そこで檄を飛ばした内容も含まれており、非常に読みやすい。
- 仕事の姿勢を身につける
- イノベーションの発想力を身につける
- ただがむしゃらなだけでなく、自己反省のある熱い人間になれる
そして、本を読む習慣をつけるための1冊目としても使えると思います。
『自分の中に毒を持て』名言集
いくつか抜粋します。これら以外にも膨大な名言が本書には登場するので、ぜひ自分に刺さる言葉を見つけてもらいたいなと思います。
人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積み減らすべきだと思う。過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。
こんな風にいうと、大げさに思われるかも知れないが、人間本来、自分では気づかずに、毎日ささやかではあってもこの分かれ道のポイントに立たされているはずなんだ。
夢を見ることは青春の特権だ。これはなにも暦の上の年齢とは関係ない。十代でも、どうしようもない年寄りもいるし、七十、八十になってもハツラツとして夢を見つづけている若者もいる。
そうじゃないから迷うんだ。危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。ほんとはそっちに進みたいんだ。
「「道で仏逢えば、仏を殺せ」というが、逢いっこない。逢えるはずはないんです。では、何に逢うと思いますか」「出逢うのは己自身なのです。自分自身に対面する。そうしたら、己を殺せ」
全生命、全存在を賭けて、真剣に、猛烈に遊ぶのでなければ、生命は燃えあがらない。いのちがけの「遊び」と、甘えた「お遊び」とは、まったく違うのである。
”いずれ”なんていうヤツに限って、現在の自分に責任を持っていない
出る杭になれ
かつて若者にとって、社会はもっと厳然としていたし、人生はもっと神秘であり、不可解であった。危険とスリルにみち、希望と不安の間に揺れ動いていた。
今さら「冒険」などと、カッコいい、安易な言葉を使う必要はない
生きるからには、歓喜がなければならないと思う。歓喜は対決や緊張感のないところからは決して生まれてこない。そういった意味で、親子の間にも、人間と人間の対決がなければならない。
「きれい」と「美」は厳格に区別しなければならない。
「いいわね」というのは、つまり「どうでもいいわね」というのと同じことだ。
残り9,988冊/998冊!
『自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか (青春文庫)』岡本太郎
文庫: 218ページ
出版社: 青春出版社 (1993/8/1)
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『自分の中に毒を持て』に合う一曲
前回に引き続き筋肉少女帯で申し訳ないですが…(笑)
名曲「戦え!何を!?人生を!」を挙げたいと思います。
連呼される名フレーズでテンション上げながら、ほんとうの人生を生きる!
『自分の中に毒を持て』の目次
1 意外な発想を持たないと あなたの価値は出ない
ーー楽しくてしょうがない自分のとらえ方
1 自分の大間違い
2 “モノマネ”人間には何も見えない
3 一度死んだ人間になれ
4 直線と曲線の違い
5 ”捨てる主義”のすすめ
6 らくに生きる人間は何を考えているか
7 エゴ人間のしあわせ感覚
8 好かれるヤツほどダメになる
2 個性は出し方 薬になるか毒になるか
ーー他人と同じに生きてると自己嫌悪に陥るだけ
1 ”爆発”発想法
2 道は一本か、十本か
3 正義の裏・悪の裏
4 成功は失敗のもと
3 相手の中から引き出す自分それが愛
ーー本当の相手をつかむ愛しかた愛されかた
1 愛の伝え方を間違えると
2 ”その一瞬”を止める方法
3 男と女に知的関係はあるか
4 自分の愛とその人の愛の違い
5 失ったときから始まる愛
4 あなたは常識人間を捨てられるか
ーーいつも興奮と喜びに満ちた自分になる
1 きれいになんて生きてはいけない
2 頭を遊ばせて世の中を見てみよう
3 ”爆発”の秘密
4 自分を笑ってごらん
5 むなしさの生みの親
6 あなたは何に燃えたいか
『自分の中に毒を持て』の読了時ツイート
12冊目
岡本太郎『自分の中に毒を持て』「人生は積み減らせ」「出る杭になれ」「己自身と闘え。炎はその瞬間に燃えあがり、あとは無。ーー爆発するんだ」強烈な言葉のエネルギー。言い知れぬ感動で、後半涙が。人間の「生」の意味を問い、甘えた心を燃やし駆り立てる、愛と魂の書!#読了 #岡本太郎 pic.twitter.com/T7RnrtPSCl
— 右脳迷子@読書・音楽・仕事 (@unoumaigo) January 27, 2019