※(はじめに)自信しかない順位予想、空前の大ハズシ!!
へー、そうなんだ、ふーん!とご笑覧ください。
来年もどうぞよろしくお願いいたしますw
全国書店員が選んだ いちばん! 売りたい本 本屋大賞
去年に引き続き2023年度ノミネート10作品をすべて読み終えたので、今回の大賞順位予想と個人的ランキングをまとめました。(好き放題書いてますが、あくまで個人の見解ですのでご了承下さい)
今回は初読み作家さんが6名。とは言えノミネート作品が出る前にその4冊は読了済だったので実質2名。ノミネートされている時点である一定の評価を受けている作品なので、安心して読めるし自分の世界をググッと拡げてくれる贅沢な読書時間になります。こういう企画は良いものですね!
まずは読んだ順に各作品のひと言紹介から。
2023年本屋大賞ノミネート作品の一言紹介
『爆弾』呉勝浩 講談社
都内で起こる爆弾爆発事件。参考人としてスズキタゴサクなる鈍くさそうな中年男性が行う次の爆発の「予言」。取り調べ室で繰り広げられる警察との頭脳戦の果てに何が待っているのか?不穏で濃厚な傑作ミステリ!
読んだら「スズキタゴサク」という言葉だけで通じ合える。
『ラブカは静かに弓を持つ』安壇美緒 集英社
心に傷を追った男が潜入する音楽教室。出会い、策略、成長、疑念、仕事、正義とは。繊細で静謐な”スパイ×音楽”小説。
読んだ人の心の深海から静かな音楽が聞こえてくる小説。
『#真相をお話しします』結城真一郎 新潮社
マッチングアプリ、リモート飲み会、妊活と精子提供、YouTuber…旬なテーマが添えられた旬なミステリ5篇。
「私は『ヤリモク』が好きでした」と言う女性の感想をTwitterで見る。令和だな。
『方舟』夕木春央 講談社
発売当初からSNSでは話題沸騰で売り切れ続出となったミステリ。多くは語らない。体験しよう。好き。
『方舟』を読んだ人の見えない絆こそ紳士のたしなみ。
ちなみに『方舟』×ちゃんぴおんずで2分の動画作りました。ネタバレしてないので見てみてね!見たらチャンネル登録もぜひ。
『君のクイズ』小川哲 朝日新聞出版
クイズ番組の決勝戦。問題を読む前に答えを当てた「ゼロ文字当て」はイカサマなのか?この謎一本でグイグイ読ませるエンタメ・ミステリ。
クイズの答えとして大好きなラジオ番組のタイトルが出てきたので、個人的に満足過ぎる。
『月の立つ林で』青山美智子 ポプラ社
皆、同じ月を見ながらそれぞれの日常を過ごしている。色々な立場の心の琴線に触れる、月が関わる連作短編集。
読後、何かしらポッドキャストを聞きたくなる1冊。
『光のとこにいてね』一穂ミチ 文藝春秋
時を経て繋がり合う、二人の心の絆。回る運命の中心に、きっとあの人はいる。タイトルの意味が優しく愛おしい物語。
昨年ノミネートの『スモールワールズ』でも感じだけど、物語の作り方がとても良い。
『宙ごはん』町田そのこ 小学館
悩める宙ちゃん。人生の大事な時には、心を癒やしてくれるごはんがある。母と娘の物語にグッとくること間違いなし。
泣いた。ごはんが出てくるタイミングが良いのよね。
『汝、星のごとく』凪良ゆう 講談社
どうしようもない環境で育った二人のどうしようもない愛の物語。感動作。
親がクズ…前半はかなりもどかしい。その分後半は素晴らしい。
『川のほとりに立つ者は』寺地はるな 双葉社
意識不明になった恋人は、一体何を隠しているのか?謎が解ける時、あなたの人生は少し豊かになる。
ノーマークでしたが予想外の良作でとても満足。
2023年本屋大賞の順位予想と考察
ということで全部読んだ上で、順位の予想をしてみました!ドーーーン!!!
大賞 | 『月の立つ林で』 | 青山美智子 |
2位 | 『爆弾』 | 呉勝浩 |
3位 | 『宙ごはん』 | 町田そのこ |
4位 | 『川のほとりに立つ者は』 | 寺地はるな |
5位 | 『汝、星のごとく』 | 凪良ゆう |
6位 | 『光のとこにいてね』 | 一穂ミチ |
7位 | 『方舟』 | 夕木春央 |
8位 | 『ラブカは静かに弓を持つ』 | 安壇美緒 |
9位 | 『#真相をお話しします』 | 結城真一郎 |
10位 | 『君のクイズ』 | 小川哲 |
どうでしょう!この完璧な布陣!自信あり!
いや本音を言うと、今回全部読みましたけど全部良いんですよね。順位をつけるのがほんと難しい。
「全国書店員が選んだ いちばん! 売りたい本」通りに考えると、どんな年齢層が読んでもオススメ、という本が一番に来るんじゃないかというのが個人的な予想で、「どんな年齢層が読んでも360度泣けるわ」と思って実際滝のように涙した『月の立つ林で』を大賞にしました。超オススメ。
ただ『爆弾』とすごく競る気がします。『爆弾』の面白さは化け物級。半端じゃない。ただ、個人的には後半やや失速した感もあるのと、『爆弾』は映像化する!と皆言ってますが、『月の立つ林』だって映像化しても素晴らしいものになりそうなので、やはり死角の無い『月の立つ林』を大賞に据えました。どうなるかな。
『宙ごはん』『汝、星のごとく』『光のとこにいてね』の3作はどれも素晴らしいし、『宙ごはん』なんかもずば抜けて大賞クラスだと思っている。ただ読めばわかるんだけど、この3作には「不倫」というキーワードが欠かせないので、ちょっとその点で票を落とすのではと予想。作品の価値はそんな所に目くじらを立てる必要なんかないのはわかるけど、時代じゃないですか。時代(言い訳)。
『川のほとりに立つ者は』は、読む前の印象とのギャップが一番あった本で、個人的にはめちゃめちゃ良かった。人生にプラスになった。オススメしたい1冊!……ただ、いかんせん今回のラインナップの中では地味さが否めないなので、大賞までは難しいかなと冷静に4位。
『方舟』は、発売直後からSNSで話題沸騰、ネタバレする前に早く読め!早く!いち早く!なすごいミステリで大好物なんだけど、書店員さんがオススメしたい本!として重要な要素って「感動できる」「人生が豊かになる」「書店が盛り上がる」という所が大きい気がしていて、「すごいミステリを読んだ感」が主成分な本作はやはりこの賞には不足があるんじゃないかなとここでも冷静に7位。
『ラブカは静かに弓を持つ』は感動もワクワクもあるけど、それでも『方舟』の勢いにやや負けるか?8位。
『#真相をお話しします』と『君のクイズ』。個人的には『君のクイズ』の方が新鮮で好きだけど、この「要素」という意味でいうと短編集でネタ数が多い『#真相をお話しします』に軍配をあげて9位。『君のクイズ』は10位、としてみました。
いずれにせよ、「該当の作品を読了済の書店員さん」が票を入れるという認識のもと、考えてみた順位です。
書店員さん、信じてるぜ!!(謎の圧)
最後に(大賞発表は2023年4月12日!)
今回は個人的なランキングも作ろうと思ってましたが、ほんとどれも良かったので、ランキングにするのはおこがましいなと思ってやめました。どれもオススメ!読んで欲しい作品ばかりです。いやほんとに。
大賞の発表が楽しみですね!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。