相沢沙呼『invert II 覗き窓の死角』
日本テレビ系2022年10月連続ドラマ『霊媒探偵・城塚翡翠』放送決定!
雑誌『アフタヌーン』で2022年11月『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』コミカライズ開始!
メディアミックスが止まらない大人気翡翠ちゃんの正統シリーズ第三弾は、前作に続き倒叙ものです。
相沢沙呼『invert II 覗き窓の死角』の目次・あらすじ
相沢沙呼『invert II 覗き窓の死角』の目次
- 生者の言伝
- 覗き窓の死角
相沢沙呼『invert II 覗き窓の死角』のあらすじ
5冠獲得ミステリ『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部突破『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く、シリーズ3作目!
反転、再び。
あなたは探偵の推理を推理することができますか?
嵐の山荘に潜む若き犯罪者。そして翡翠をアリバイ証人に仕立て上げる写真家。犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するのは、すべてを見通す城塚翡翠。だが、挑むような表情の翡翠の目には涙が浮かぶ。その理由とはーー。ミステリランキング5冠『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く待望の第3作目。犯人視点で描かれる倒叙ミステリの金字塔!
「BOOK」データベースより
今回は446ページに2つの中篇を収録しています。どちらも読み応えがあって、しかも読みやすくて超絶面白いぞ!
相沢沙呼『invert II 覗き窓の死角』読了時ツイート
相沢沙呼『invert II 覗き窓の死角』は前作に引き続き倒叙ミステリ
『medium』『invert』の続編が出る!と聞いてタイトルは何かと思ったら『invert II』。正直最初に聞いた時は、
え?IIなの?違う単語じゃないの?
と思いました。どうでもいい話ですが。
「invert」とは何か?前作の感想記事にも書きましたが、もう一度おさらいしましょう。
in・vert
【他】…を逆さにする,ひっくり返す,…を裏返しにする;
〈位置・順序・関係を〉反対にする;〈性質・効果などを〉逆転させる;
inverted detective story:倒叙推理小説
倒叙ミステリですよ、ということですね。「ああそうか」意味を改めて思い出してどこか安心しました。
もちろんとんでもない衝撃で脳髄ごとぶっ飛ばすミステリを味あわせて欲しい気持ちはもちろんありますが、犯人が予めわかっているからこそ安心して翡翠ちゃんの活躍を見守ることができるという最大のメリットがあるからですね!もう大好きになっちゃってるので。
前作で「城塚翡翠」×「倒叙ミステリ」の相性の良さはしかと味わっているので、これはもうシリーズとして完全に成立したなと感じています。バンバン出して『invert XV』くらいまでは行ってほしいですね。ライバルは古畑任三郎や刑事コロンボなどではありません。ファイナルファンタジーです。
相沢沙呼『invert II 覗き窓の死角』の表紙。泣き顔の城塚翡翠
これまでのてへぺろこっつんこで妖艶で謎めいて正義感溢れるイメージとは異なる、「泣き顔の城塚翡翠」が表紙。
一体どうしたんだー!
誰がみんなの翡翠ちゃんを泣かせたんだ!
…と、楽しみになりつつも少し心配になってしまう。でも黄色い花に囲まれてネイルもピンクで素敵だな…という複雑な気持ちに包まれる表紙です。
城塚翡翠の涙の理由はもちろん作品を読めばわかりますが、本筋とは全然関係ないシーンで一発目の涙が登場します。
え?ここで?これで泣くの?
と思ってしまった「ある冷たい食べ物」が登場します。皆も読んだ後に食べてみましょうね!泣くから。
相沢沙呼『invert II 覗き窓の死角』で個人的に好きなのは最初の『生者の言伝』
本作で読みどころはもちろん表題作の『覗き窓の死角』です。
「城塚翡翠」VS「翡翠をアリバイ証人に仕立て上げる写真家」
こちらも素晴らしい結末の仕掛けで見事にinvert(反転)してくれます。とてもドラマ向きだな~と思いました。翡翠ちゃんの様々な感情の揺れが、読んでいて刺さります。
ただ、個人的に好きなのは最初の『生者の言伝』の方ですね。
「城塚翡翠」VS「嵐の山荘に潜む若き犯罪者」
こちらの犯人の悲しいまでの翻弄されっぷり(弄ばれっぷり)、城塚翡翠×助手の千和崎真の見事なコンビプレイ、ラストの秀逸な反転のさせ方。読み終えた後タイトルに「なるほど!」と嘆息…など、
純粋に読んでてたのしーーーー!!!と思える154ページでした。これも全然映像化いけちゃいますね。
相沢沙呼『invert II 覗き窓の死角』でさらに深まる城塚翡翠の謎!
作中に登場する警察の偉方達、彼らとの因縁、城塚翡翠や千和崎真の過去、関わる人物たちの思惑…
事件は解決して良かった!となりますが、翡翠ちゃん自体の謎はむしろ深まるばかり。
これからも、推すっきゃねぇ!!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!