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高橋弘樹『1秒でつかむ』感想|超人気TV番組の仕掛け人の全思考を《ビジネスの血肉》にできる良書

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8冊目『1秒でつかむ』高橋弘樹

こんにちは。右脳迷子(@unoumaigo)です。

そろそろくるかと思っていましたが、いきなりきました花粉症。これから鼻セレブが手放せない日々となりそうです(涙)。

今回はテレビ東京の現役ディレクター・高橋弘樹さんの著書『1秒でつかむ』をご紹介します。

超人気番組『家、ついて行ってイイですか?』や『吉木りさに怒られたい』『空から日本をみてみよう』『大正生まれだけど質問ある?』などの話題作を続々世に送り出す凄腕企画マンの頭の中を覗けて、自分の血肉にできる良書です。

『1秒でつかむ 「見たことないおもしろさ」で最後まで飽きさせない32の技術』高橋弘樹
単行本(ソフトカバー): 520ページ
出版社: ダイヤモンド社 (2018/12/20)

1秒でつかむ 「見たことないおもしろさ」で最後まで飽きさせない32の技術 [ 高橋 弘樹 ]
目次

『1秒でつかむ』はどんな人が読むと良いか

この本は企画マンやクリエイティブ系の仕事をしている人は、ほぼ全員読むべきです。

それ以外の方も、これから物がどんどん売れにくくなる時代に、本書の内容を理解しているとしていないとでは、大きく差がつく内容になっています。

売れる商品やサービスには「物語」がある。というのは超大事なことです。

そしてそれは今の世の中割と当たりだし、みんななんとなくそのことは知っていると思います。でも、ちゃんと伝わる物語にできているかというと、これは難しいんじゃないでしょうか。

本書はその物語のいかに気づいてもらい、さらに深く入り込んでもらうか。発信する側には、物語自体に蜘蛛の巣を張りまくって、お客様を1秒でつかんで、離さない。そんな力が求められているのだと思います。

[chat face=”unou2019.jpg” name=”1秒でつかみたい人” align=”left” border=”none” bg=”red”]仕事だけでなく、プレゼンや日常のコミュニケーションなど、相手がいる対話はすべて同じで「相手を惹きつける」力ってすごく重要ですよね。[/say]

この「相手を惹きつける力」があれば、その後の相手との関係も大きく変わってくる。そういった技術(武器)が学べる一冊です。

本書は500ページを超えるボリュームですが読みやすく飽きさせません。読み進めると、なぜこのページ数になっているかも納得できます。さすが本職のテレビディレクターさんだけあって、テレビ的な構成となっている点も注目ポイントです。

※1秒でつかむがタイトルなのに、520ページもあるのかよ!というのは最初のツッコミどころではありますが(笑)

そして本書にも紹介されていますが、「テレビ東京」は関東圏の方はご存知だと思いますが、キー局としては最弱クラスです。ほぼ地方局と同じようなスタンスです。予算はない(らしい)。

そんな四面楚歌な環境の中で、キー局の番組を凌いで人気ランキングに入るバラエティ『家、ついて行ってイイですか?』を始め、人気番組をバンバン仕掛ける思考とノウハウは、幅広いビジネスマンに勝ち筋を見せてくれると思います。

『1秒でつかむ』の注目ポイント

私が思った注目ポイントは下記の4つです。

[box03 title=”『1秒でつかむ』の注目ポイント”]
1.500ページ超のボリューム感を感じさせない構成力
2.技術が本で実際に展開され、体感できる(体で覚えることができる)超実用書
3.独特のキーワードで惹き込ませるワクワク感
4.とある理由から本書に物凄く籠もっている熱量[/box03]

一つずつ説明していきます。

1.長文を感じさせない構成力

これは前述の通りですが、かなり緻密に作為的に読書体験を設計されているため、長文であることを忘れて没入できる構成になっています。

文章も平易ですので、どんどん読み進めて技術を盗んでいけるでしょう。

2.技術が本で実際に展開され、体感できる(体で覚えることができる)超実用書

これが本書の一番の売りじゃないでしょうか。

とにかく使えるノウハウが32個も詰まっているのですが、それが本の中で実際に繰り広げられることで、より「ああ、これはこういう使い方をすればいいのか」と理解できます。

「体で覚えることができる形式になっている」ことに圧倒的なこだわりを感じます。なかなか通常のビジネス書には無いつくりだと思います。

3.独特のキーワードで惹き込ませるワクワク感

さすが現役テレビマンだけあって、色々なキーワードがキャッチかつ独特で「これはどういう意味だろう?」と興味を持って読み進められるのも本書の特徴です。

・千利休式「引き算」力
・限界突破力

等はなんとなく想像ができそうですが、

・「は?」を消す力
・タイムマシン編集力
・うんこ漏らす力
・サウナ力
・東野圭吾力

などは、何のことか分かりませんが、タイトルを見るだけでワクワクしてきます。

[chat face=”unou2019.jpg” name=”ジョジョ好き” align=”left” border=”none” bg=”red”]東野圭吾力は、私はジョジョ第6部の「プッチ神父力」だなと勝手に読み替えてニヤつきながら読んだりしました。純粋に天国にいきたいだけなんです(意味不明)[/say]

4.とある理由から本書に物凄く籠もっている熱量

とにかく、著者の高橋弘樹さん自体が熱狂的に仕事にのめり込むタイプだそうで、本書もそういった意味で熱い本になっています。読んでいるこっちまで、企画を立てたいと高ぶってしまいます。

ただ、終盤まで読むと分かるのですが、その熱量の意味があと2つあるということに気が付きます。

1つは後半に明記されています。ややネタバレになるのでここでは割愛。

もう1つは、本書の編集者である、ダイヤモンド社の「今野良介」さんの存在です。

とにかくこの人も熱狂的なまでに熱い方のようで、本書ができるきっかけが語られているのですが…

「熱いTVディレクター」×「熱い書籍編集者」=「熱すぎるビジネス書」

この方程式で、めっちゃ熱い、しかも使える実用書が出来あがったんだなと、感動しました。

(ここまで書いたので勘違いはしないと思いますが、ただ熱いだけの自己啓発本ではなく、技術的なノウハウが詰まった実用書ですのであしからず…)

実際に二人にお会いしたことはありませんが、その人間味が本からにじみ出てくる良書です。ぜひご一読ください!

長々書きましたが、面白くて勉強になる一冊ですよ!

『1秒でつかむ 「見たことないおもしろさ」で最後まで飽きさせない32の技術』高橋弘樹
単行本(ソフトカバー): 520ページ
出版社: ダイヤモンド社 (2018/12/20)

1秒でつかむ 「見たことないおもしろさ」で最後まで飽きさせない32の技術 [ 高橋 弘樹 ]

残り9,992冊/998冊!

『1秒でつかむ』に合う曲

これはThe Beatles の Let It Be にせざるを得ませんね。

『家、ついて行ってイイですか』の挿入歌でもあり「あるがままに」の意味を持つこの歌。誰にとっても何か感慨を呼び起こさせる名曲でもあります。

もう1曲、編集者の今野良介さんが大のaiko好きということで、be master of life だ!とも考えましたが、あまりにもaiko熱がすごい方らしく、「俺のこの本のイメージはこの曲じゃねぇ!」と一喝されそうな気もしますが…独断と偏見ということでお許しください(笑)

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『1秒でつかむ』の目次

はじめに「1秒たりとも、飽きないで観てもらいたい」
第1章 1秒でつかむ「見たことないおもしろさ」の作り方
1 新ジャンル開発力
2 千利休式「引き算」力
3 親鸞式「ネガティブLOVE」力
4 バランス崩壊力
5 1.5倍力
6 「1年=15か月」力
7 限界突破力
8 全部ひとり力
9 ルーティン本気力
第2章 コンテンツの魅力を引き出すためになぜ「ストーリー」が必要なのか?
10 「心の可視化」力
11 自分「取調べ」力
12 超・具体化力
第3章 より多くの人にストーリーの魅力を伝える技術
13 「は?」を消す力
14 めんどくさい撲滅力
15 360度注視力
第4章 1秒も離さず常に興味を持ってもらう12の技術
16 すべては「設定力」
17 価値観が逆転する「目線力」
18 タイムマシン編集力
19 「矛盾する本能」解決力
20 記憶掘り起こし力
持続編 「裏切り」「笑い」「伏線」「疑問」「振り幅」1秒も飽きさせない「5つの神器」
21 うんこ漏らす力
22 「笑い」を作る力
23 チェーホフの銃力
24 快適ひっぱり力
25 時空を超える力
ラスト編 1秒も「ムダではなかった」と思ってもらうために
26 サウナ力
27 東野圭吾力
第5章 人の心に突き刺さる「深さ」の作り方
28 マルチターゲット力
29 自分の欲望肯定力
30 不幸LOVE力
31 テレ東力
32 3つの「崩す力」
おわりに

『1秒でつかむ』の読了時ツイート

本に関するYouTubeもやっているので、ぜひ御覧ください!

  • 本の事について話すYouTubeやってます。良かったら覗いて行ってくださいね!

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