『Tap スマホで買ってしまう9つの理由』要約と感想|これからのモバイルマーケティングが俯瞰できる一冊

14冊目『Tap スマホで買ってしまう9つの理由』アニンディヤ・ゴーシュ

こんにちは。小さな習慣のおかげで毎日スクワット50回を1ヶ月続けられている右脳迷子(@unoumaigo)です。

今回はアニンディア・ゴーシュさんの『Tap スマホで買ってしまう9つの理由』。要約をまとめました。だいたいの内容はこれで把握できるかと思います。

これからのモバイル広告、マーケティングの概略を俯瞰する上では読んでおいて損の無い一冊だと思います。

『Tapスマホで買ってしまう9つの理由』 アニンディヤ・ゴーシュ (著), 加藤万里子 (翻訳)
単行本: 384ページ
出版社: 日経BP (2018/11/22)

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『Tap スマホで買ってしまう9つの理由』の成分表示

豊富な実験結果のデータから、モバイル広告の今と未来を分析する内容です。モバイル広告に主眼が置かれていますが、PCへの広告についても総合的に触れられています。

『Tap スマホで買ってしまう9つの理由』でわかることと概要

大きく2つのことがわかります。

わかること1:モバイル経済の今

今はスマホやタブレットを中心としたモバイル全盛の時代です。いま実際にモバイルを中心に経済がどのように動いているのか。また、「うちの業種は関係ないよ…」という人でも無視できない大きな流れが本書を読むことで掴むことができます。

ビジネスに、マーケティングに、広告に、学術研究に、心理学の教材として活用できるでしょう。

わかること2:消費者の購買決定を促進する9つの力

本書のタイトルにもなっている、モバイル時代の購買決定の決め手となる9つの力を理解することができます。

[box03 title=”スマホ時代に消費者の購買決定を促進する9つの力”]①状況(その人がどんな状況にあるのか?)
②場所(どこにいるのか?)
③時間(いつ、そこにいるのか?)
④顕著性(広告はどこに表示されるか?)
⑤混雑度(周りにどれくらい人が密集しているか?)
⑥行動履歴(どんな行動を取る傾向があるのか?)
⑦社会的関係(誰と一緒にいるか?)
⑧天気(天気はどうか?)
⑨テックミックス(端末と広告フォーマットを組み合わせているか?)[/box03]

『Tap スマホで買ってしまう9つの理由』の前提と概要

押さえるべき大前提

今の時代、ユーザは肌身離さずスマートフォンを持っています。

そこで、ユーザは生活しているだけで、ざっと下記のデータを常に企業側へ提供していることになる。ということを最初に押さえておきましょう。

[box03 title=”ユーザが常に提供しているデータの種類”]・氏名
・現在位置
・目的地
・今までいた場所
・近くにあるもの
・現在の状況
・必要なもの
・購入したもの
・興味のあること
・反応するもの[/box03]

うまいごす

無意識のうちに、こんなにデータを提供しているのか!なんか怖い気がする…

しかし感情では拒否していても、人は「本当に意味のある情報(広告)」は欲しい!と思う生き物です。ここが本書の結構大事なところです。

[box03 title=”人間の行動特性”]1:思いつきで行動したがるが、実はこれまでの経験から安心感のある行動をするだけなので、その行動は予測可能である
2:広告は煩わしいが、「情報」は逃したくない
3:選択肢を望むが、選択肢が多すぎると困る
4:プライバシーに敏感だが、個人情報が取引条件となることが増えている[/box03]

本音を言うと「広告は嫌だけど、本当に欲しいものが手に入るのならハッピーじゃん!」ということになります。

ユーザが「本当に欲しい情報」が同時に、企業が「本当に売りたい情報」になっている。
これはお互いハッピーな構図、ウィンウィンな関係ですね。

スマホの広告はうざったいけど、
自分の「ストーカー」ではなく、「コンシェルジュ」にしちゃおう!

そのためには「9つの力」をしっかり理解して、その次にどう考えたらよいか?ということがぎっしりと詰め込まれた本です。

では、細かく見ていきます。

『Tap スマホで買ってしまう9つの理由』の第1章

ここでは、「スマホはこれまでの日常を破壊した」ということと、「スマホが変えたもの、変えなかったもの」ということが語られます。

アメリカ、中国、韓国、インド、ブラジル、ドイツのモバイルGDPは2017年の段階で1兆2,000億ドル、総GDPの約47%にまで達しました。

そして、スマホ広告に対する費用はまだ圧倒的に足りていない状態(紙の広告は、4%しか購入に至らないのに、広告費としては16%も使われている)です。

企業は消費者のデータに入り込める時代になりました。より実用的なモバイル広告にお金をつぎ込んでいくことに価値がある。

スマホは、下記の3つを変えました。

・コミュニケーションのやり方(電話→メール→メッセンジャー)
・情報が個別にカスタマイズできる(シェアリングエコノミーなど)
・コンテンツの作成と買い方(ハリー・ポッターの忍びの地図が現実に!)

ただ、スマホが変えなかったものがあります!

それが前述の「人間の行動特性」です。

この行動特性が、第2章の「9つの力」を理解するカギとなります。

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『Tap スマホで買ってしまう9つの理由』の第2章

いよいよ、9つの力についての説明です。

9つの力①状況(その人がどんな状況にあるのか?)

今や、どんな人に売りたいか?だけではダメで、下記を押さえる必要があります。

●なぜそこにいるのか?
…場所と目的をリンクさせる

●何を望んでいるのか?
…人の望みは「いつもと同じ」が予想以上に多い
…「行動の軌跡」を追うとニーズが見えてくる

●どう感じているのか?
…例えば誰といるかで行動が変わる。その人の「今」に適したクーポンを表示することには非常に意味がある

9つの力②場所(どこにいるのか?)

場所と言っても、今はかなりその精度は高まっています。

目印、時間、距離、方向、動機などの掛け合わせが重要です。LBM(位置情報連動マーケティング)と言います。

場所はその人の嗜好をかなり正確に予測できるそうです。

うまいごす

確かに…本屋にばかりいる自分は、多分「本好き」だ…

ここで面白い実験結果があります。

距離が1km離れると、クーポンの使用率は2~4.7%下がる。

しかし!

割引率を1%上げると、90~230m距離を縮める効果があるのだそうです。

「距離のデメリットを、割引率で相殺出来る!」

9つの力③時間(いつ、そこにいるのか?)

時間は「時刻」と「期間」を分けて考える必要があります。

時刻

商品の属性を「実践的・高関与(慎重に買うもの)商品」と、「情緒的・低関与(あまり検討せず買うもの)商品」の2つに分けると、売れる時刻が異なります。

実践的・高関与商品…「朝」「午後」に売れる!

情緒的・低関与商品…「昼」「午後」に売れる!

そして、曜日でいうと、「月曜日」と「木曜日」がクーポンの使用率が高いそうです。

期間

クーポンに有効期限をつけると、利用するまでの時間が平均2分ほど短くなるそうです。期限を付けたほうがいいのはわかります。

そして有効期限の最適な目安は?「1日」です

24時間で切れるクーポンをメルマガでおくる、というのも良いかも知れませんね。

9つの力④顕著性(広告はどこに表示されるか?)

人は選択肢を欲しがりますが、あまり多すぎる選択肢になると選ぶことをやめてしまう行動特性があります。

あるグルメ紹介サイトで、「ステーキ」と検索した時に上位5件くらいは自分の行動圏内の店が表示される方がいいですよね。

ランキングサイト、検索エンジン、紹介サイトなど、本当は無数の選択肢があるけど、「あなたにとって最善ないくつかの正解を用意しましたよ!」と自然に表示されているほうが、効果が高くなるということです。

うまいごす

特にランキングサイトでは、1ランク上がると25%クリック率があがるそうです。やるしかない!

9つの力⑤混雑度(周りにどれくらい人が密集しているか?)

スマホの画面を見るのに集中して、壁や人にぶつかったりしている人いますよね。

それだけ没頭できるスマホは「周囲の環境から逃げる手段」でもあるわけです。

混んでいる電車だと、空いている時の2倍クーポンなどの使用率が高まるそうです。

そしてそれは、「混んでいれば混んでいるほど効果が高い」

通勤をターゲット環境にみなせば、企業のモバイルマーケティング戦略の効果が上がる!ということです。

うまいごす

完全に身動きが取れない総武線や中央線などの魔列車では流石にスマホも見れませんけどね…

9つの力⑥行動履歴(どんな行動を取る傾向があるのか?)

位置情報連動型データは「スナップ写真」のようなもの。
軌跡連動型データは「ビデオクリップ」のようなもの。

その人の行動の軌跡を分析すれば、その人の行動パターンが決まってきます。適切な広告が出しやすくなる。

軌跡の要素は4つあります。「時間」「ルート」「速度」「セマンティクス(意味論)」

最後のセマンティクスは、その行動にどのような意味があるのかということです。例えば「目的を持った買い物」なのか、「ぶらぶら探索型の買い物」なのか、というようなこと。

9つの力⑦社会的関係(誰と一緒にいるか?)

「一人でいる個人」と「集団内の個人」は行動に差が出ます。

集団内の個人は、レミング効果(無条件で指導者についていくこと)を誘発することがあります。

例えば飛行機で、誰かが何かを買うのを見ると、同じものを買う確率が30%アップ。2人見ると58%もアップします。

集団内の人にモバイル広告を打つと、一人でいる時より反応率は2倍になる。2人より3人の方が効果が高いそうです。

注意点としては、カップルは広告をほとんど見ない、ということだそうです。

うまいごす

二人の世界に入ってる時に、広告なんてじっと見てたら「広告と私どっちが大事なの?」と怒られますよね(苦笑い)

9つの力⑧天気(天気はどうか?)

天気は最も購買に影響を与えるけれど、最も活用されていない分野です。

P&Gは、女性のヘアスタイリングが天気によって影響されるということから、「髪予報」というサービスを立ち上げ、新商品を出さずに2ヶ月で売上を10%も伸ばしました。

そして、天気は家や車などの超高額商品の売上も促進することがデータで明らかになっています。

9つの力⑨テックミックス(端末と広告フォーマットを組み合わせているか?)

「広告費の半分は無駄」でも問題は「どの半分が無駄かわからない」こと。

ネットで物を買うに至るまでは、PC、タブレット、スマホを複数使って行われます。

ウェブ広告、モバイル広告。それぞれ相乗的に作用し、前向きに影響しあうことがデータで明らかになっています。

ここは業種によってことなるので、まずはデータの収集を行って適切な比率を考えていくのがよいそうです。

『Tap スマホで買ってしまう9つの理由』の第3章とまとめ

ここでは最後に、9つの力を活用できる次世代の技術について触れられています。

ウェアラブル端末、AI、体内埋め込み端末、インスタントメッセージの進化。

スマートホームやコネクテッドカーなどの、消費者向けIoT。そしてVR・ARの活用…まだまだワクワクできる要素は生まれていきそうです。

技術の進歩は凄まじいですが、それらを使いこなし、「本当に欲しいもの」が消費者に提供される世の中になれば、素晴らしいことです!そうなって欲しい!

今回の要約では、本書に登場する細かい実験データについての記述は省いていますので、企業の広報、マーケティング担当、そして社長さんは本書を読んで、これからのモバイル経済の潮流を掴んでみてはいかがでしょうか。

『Tapスマホで買ってしまう9つの理由』 アニンディヤ・ゴーシュ (著), 加藤万里子 (翻訳)
単行本: 384ページ
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『Tap スマホで買ってしまう9つの理由』に合う曲

ピッタリの曲がありました。スピッツの名曲「さわって・変わって」です。

まさにTap(さわって)して変わっていくこれからの広告、企業と私。君と僕。そんな関係性を表していると思ったら少し楽しくなりませんか?

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『Tap スマホで買ってしまう9つの理由』の目次

はじめに

第1部 モバイル端末は人々の生活をどのように変えたのか
第1章 スマートフォンは日常生活を破壊した
第2章 スマートフォンが変えたもの
第3章 バランスを保つ

第2部 モバイル経済を形成する力
第4章 状況(コンテクスト)ーー何が起きているのか?
第5章 場所(ロケーション)ーーなぜ位置情報は重要なのか?
第6章 時間ーー味方につけるべきもの
第7章 顕著性ーー顧客の目を引く
第8章 混雑度ーーなぜ混んでいることが重要なのか?
第9章 行動履歴ーー軌跡を明らかにする
第10章 社会的関係ーー誰と一緒にいるか
第11章 天気ーー完璧な嵐を発生させる
第12章 テック・ミックスーー端末と広告フォーマットを組み合わせる

第3部 次世代の技術力
第13章 人間と端末の親和性
第14章 次世代技術と新たな”力”

おわりに

『Tap スマホで買ってしまう9つの理由』の読了時ツイート

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