Amazonのランキングでも上位にランクインしていて本屋さんでも平積みされていた、ふろむだ氏による『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』。
『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』ふろむだ
単行本(ソフトカバー): 365ページ
出版社: ダイヤモンド社 (2018/8/9)
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正直、個人的にこの本はおすすめしたくない。なぜなら、本の内容を黙って自分だけのものにしておきたくなるくらい、人生を変えるインパクトがあるからだ。
自己啓発書でもあり、心理学の解説書でもあり、ビジネス書でもある。
もっというと、現代を生き抜くための「悪魔的な実用書」だと言える。迂闊に利用法を間違えると危険な書だ。
著者:ふろむだ氏
本のプロフィールをそのまま引用すると、
のべ数百万人に読まれたブログ「分裂勘違い君劇場」の著者。多様な業務経験を生かして、主に仕事論などの記事で人気を博す。リアルでは複数の企業を創業し、そのうち1社は上場を果たす。ポストとしては、平社員、上司、上司の上司、上司の上司の上司、取締役、副社長、社長を経験。業務としては、プログラミング、設計、仕様定義、企画、マーケティング、採用、アートディレクションなどを経験。本書ははじめての著書となる。
のべ数百万人に読まれたブログ「分裂勘違い君劇場」の著者。多様な業務経験を生かして、主に仕事論などの記事で人気を博す。リアルでは複数の企業を創業し、そのうち1社は上場を果たす。ポストとしては、平社員、上司、上司の上司、上司の上司の上司、取締役、副社長、社長を経験。業務としては、プログラミング、設計、仕様定義、企画、マーケティング、採用、アートディレクションなどを経験。本書ははじめての著書となる。
そう感じなかっただろうか?ただ、これもふろむだ氏の策略なんだろうと自分は考える。
要約すると:「錯覚資産」の活用で、人生は好転する!
早速要点をまとめると、
・世の中の成功者は、この錯覚を「錯覚資産」として活用している。
・一般的に人生の成功要因は「運2:実力8」位だと思われている。
・しかし、その本当の姿は「運2:錯覚資産6:実力2」である。
・誰でも「錯覚資産」を増やすことができる。そうすれば、成功できる!
代表的な思考の錯覚として、ふろむだ氏は「ハロー効果(後光効果)」を挙げている。
ハロー効果とは、相手の分かりやすい一部分を優れていると思えば、他が多少劣っていても、その劣っている点さえ優れていると感じてしまう思考の錯覚だ。
ハロー効果のプラスの事例として
- イケメン政治家は容姿が優れているので、政治手腕や人柄や政策まで優れていると感じる。結果、中身が大したことない政治家でも支持が集まり当選できてしまう
- 最初のサービスが大当たりした起業家の「2発目のサービス」も優れているだろうと感じて皆がサポートしてくれる。結果、2発目のサービスがしょぼくても成功してしまう。
- 1個目の論文が優れている学生は、2個目の論文も優れていると勝手に教授が判断して、好意的な採点をしてしまう。結果、2個目以降が多少ヘッポコでもドンドン他の学生との差がついてしまう。
などが挙げられている。逆に、マイナスのハロー効果、思考の錯覚についても触れている。
- 「ダメな奴は何をやってもダメ」と周りからレッテルを貼られてしまう。結果、次にそこそこの結果が出せても皆の評価は「あいつだからここまでしかできなかったんだ」となってしまう。
まったく世知辛い…でも、これが残酷な真実だと思う。みなさんも実際にそんな例は山程見てきた、体感してきたのではないでしょうか。
そして著者は、この錯覚資産は複利で増やせる、と主張している。
その流れはこう。
- 実力があまりなくても「錯覚資産」を持つ人は、成功しやすい。
- 成功すると、次の「成功の機会」を得やすい環境になっていく。
- すると「錯覚資産」を持たない人より次の成功が早くできる。
- 成功すればするほど、「錯覚資産」も「実力」も増していく。
- 実力+努力型の人よりドンドン成長でき、最終的にすごい差になる。
「もうすでに、正直者がバカを見る時代なんだよ」ということを、本の中で淡々と暴いていく。
読み進めながら、恐怖で鳥肌が立つと同時に、自分も「錯覚資産」を増やせばいいんだ!と胸が高鳴り武者震いがしてくると思います。
アマゾンのレビューを見ると、
のようなボロクソ否定的なものも目立つが、本質はそこじゃないと思う。
「いかに行動経済学を勉強し、深く知るか?」ではなく「いかに行動経済学と呼ばれる人間の心の動きを知り、人生に活かすか?」について書かれた本なので、その本の役割に沿って、読者は今後の人生に役立てればよいのだ。
と思います。
読まないと、多分損する。
「錯覚資産」を味方につけたい人、ぜひ。
『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』ふろむだ
単行本(ソフトカバー): 365ページ
出版社: ダイヤモンド社 (2018/8/9)
この本に合う音楽
理解している人には、この「錯覚資産」というものが示す道がはっきり見える。
理解していない人には、この人がなぜ評価されるのか。なぜどんどん力をつけているのかわからない。まさにカオス。
カオスの代名詞であるプログレッシブ・ロックの混沌のように見えるでしょう。しかし芯は美しい。
私がかつて衝撃を受けた、日本のプログレバンド、ポチャカイテ・マルコのデビューアルバムを聞いて戦慄しながら読んでいただきたい。