16冊目『地道力[新版] 目先の追求だけでは、成功も幸せも得られない!』國分利治
こんにちは。ダイエット計画がハマりすぎて、2ヶ月で5kg痩せ!あと1ヶ月でさらにマイナス3kgを画策中の右脳迷子(@unoumaigo)です。
今回は、全国に220店舗以上展開している美容室EARTHグループのドン、株式会社アースホールディングスの代表取締役である國分利治さんの著書『地道力[新版] 目先の追求だけでは、成功も幸せも得られない!』を紹介します。
『地道力[新版] 目先の追求だけでは、成功も幸せも得られない!』國分利治
単行本(ソフトカバー): 253ページ
出版社: PHP研究所; 新版 (2013/8/30)
『地道力』の成分表示
『地道力』の成分表示は上図の通り。骨太で、人間的に格好いい「漢」としてのリーダーシップがビシビシ伝わってくる、背筋の伸びる自分磨き本です。
[box01 title=”『地道力』はどんな人にオススメか”]・これから独立、就職する人
・リーダーや、これからリーダーになる立場の人
・社長
・自分磨きをしたい人[/box01]
…などなど、あらゆる人が、特に転機に読めば効果は倍増ではないでしょうか。
転機、と言っても、状況が変わるわけではなく、これから状況を変えていくんだ!という決意のタイミングなどでもとても良い薬になると思います。
僕はおしゃれセンスゼロなので…美容業界は憧れるけど遠巻きに見ている様な人種ですが、美容業界に入ろうと思っている人が本書を読んだら、間違いなくアースホールディングスの門を叩くことになるんじゃないでしょうか。
単純に、人として格好いい。そう思いました。
『地道力』著者、國分利治さんについて
実はこのサイトで以前ご紹介した、『年収1億円になる人の習慣』の著者である山下誠司さんは、國分利治さんの腹心のナンバー2なのだそうです。
順序が逆になりますが、山下さんの本を読んだ時「このストイックさは痺れる…」と度肝を抜かれていたのですが、そんな山下さんが付いていくことを決めたボスも、それはそれは恐るべき自分磨きストなのだろうと思っていましたが…ビンゴでした。
さすが國分社長!
おれたちにできない事を平然とやってのけるッ
そこにシビれる!あこがれるゥ!
…という感じで、トガりにトガったストイックさをお持ちの方でした。最高。
[box01 title=”國分利治社長の世間一般のイメージ”]・10億円の豪邸に住んでいる
・フェラーリを何台も乗り回している
・休日にはサーフィンをしまくっている
・新興企業の超ド派手社長[/box01]
世の中の國分社長のイメージは上記の感じですが、本書を読むと全く正反対の人柄が見えてきます。
[box02 title=”真実の國分利治社長”]・10億円の豪邸にはほぼ帰らない(社員のMTG用に使われている)
・フェラーリは年数回しか乗らない(会社の行事だけ)
・高級フレンチは苦手。赤ちょうちんの方が好き
・自宅ではお酒は一切飲まない
・一日一食[/box02]
ですが、決しておかしなことはやっていません。むしろ、言っていること、やっていることは至極まっとうであり、スタンダード。
当たり前のことが当たり前にできるだけで、ある程度社会で通用する。そう言われるほど、人間は継続することが苦手な生き物です。
國分社長は、素直に自分と向き合い、甘えず戦い、仕組みをつくり、背中で語ってきたからこそ、何百人もの個性派揃いである美容師軍団のトップで居続けることができているのだと思います。
愛される社長であり、親父であり、親分であるのだなぁと思いました。
『地道力』の内容
『地道力』は大きく分けて3部構成になっていると思います。
1.國分利治さんが、なぜ美容業界で社長を目指すことになったか、そこに至るまでの過程
2.アースホールディングスを立ち上げてから、一流のリーダーになるために努力していること、考え方
3.これから一流になりたい、自分を磨いて頑張りたいすべての人に向けてのメッセージ
2と3は少し混ざっていると思いますが、ざっくり分けると上記の構成で語られています。
1.國分利治さんが、なぜ美容業界で社長を目指すことになったか、そこに至るまでの過程
國分さんは、福島県出身。幼少時代は「悪ガキ」。中学以降はそこから「不良」にランクアップ。いわゆるヤンキーでした。
・背が低い
・勉強は苦手
・スポーツをやっても普通
・何も一番になれるものがない
・自分に自信がない
そんなコンプレックスに対する唯一の対抗手段として、悪いことをして目立つ、ということに逃げていたようです。
そんな理由から不良をやっていたので、完全な「ワル」にはなりきれず、中途半端な不良を続けていたそうです。そんな中、父親に言われた一言が國分さんの胸に今も残っているそうです。
「中途半端じゃ、一番どころか何者にもなれない」
その一言をきっかけに、自分の将来を真剣に考え始め、「25歳で経営者になる!」という誓いを立て故郷をあとにします。
「使われる人間にはなりたくない」
そんな想いで上京。過酷なアルバイト生活などを経て、カバンひとつで東京へ。歌舞伎町の美容院でのアルバイト。そこでがむしゃらに働き、先輩もいるなか、「店長になりたいヤツはいるか?」の言葉にすかさず挙手。そこで、店長になる経験をします。
社長ではないにせよ、店長として様々な美容室の運営に携わったあと、30歳で独立。結果的に25歳で経営者になるという目標からは5年遅れたものの、全力で進んできた結果に対して納得しているといいます。それでも、すごいですよね。
その後は、美容業界を牽引するアースホールディングスの社長になるわけですが、この会社の仕組みがまぁすごい。のれんわけの形でFC展開をする、ということで、各店舗の店長を、経営者として雇うことでそれぞれの自主性、積極性を育てながら、優秀な人材の流出を防ぎ、超大家族としての経営をうまく成り立たせているのです。
これは人柄、実力、仕組み、周りの幹部を始めとする人材に恵まれていなければ、なかなか実現できないと思います。その父親としての國分さんの魅力が改めて偉大なんだと思いました。
2.アースホールディングスを立ち上げてから、一流のリーダーになるために努力していること、考え方
これは本書にたくさんあるので、一部だけご紹介しますが、とにかく…
自分をせせこましく小さくせず、大きく見せ、そして自分の課した言葉に正直にぶつかっていく。逃げない。
男としての美学を行動で示していくという勇ましさを感じます。
「自分=原因」。良い結果を出すのも悪い結果を出すのも、すべての原因は自分にある。
社員が経営者に対する尊敬の念を失ったら終わりであるように、経営者が社員に対する感謝を失ったら、それは組織の終わりを意味する
組織には一定の秩序が必要。秩序がなければ、指揮系統が末端まで機能しない。結果、社内がまとまらなくなり、仕事の能率が悪くなる。秩序を構築する要素の一つが社長の威厳です。
成功できるのは「○」と「×」の答えしか持っていない人。「○」か「×」かと白黒をはっきりつけられる人だけが、次のステップに進める。「△」の判断をする人は、「自己否定」ができない人。「△」の答えは、人間の成長を止める。
「24時間の価値を知るのが一流。1分の価値を知っているのが超一流」
とてもまともで、誠実な考え方だと思いませんか?僕は、大好きな考え方です。
3.これから一流になりたい、自分を磨いて頑張りたいすべての人に向けてのメッセージ
本書には、あらゆる箇所に自分を高めたい人への刺激になる言葉が散りばめられています。
おそらく、これは國分さん自身にも戒めの意味を込めながら書かれているのではないかと思います。
上に立つ人間が見ているのは、簡単に言えばその人の情熱です。能力は二の次なのです
朝九時から会社が始まるのなら、明日から朝7時に出社する生活を、騙されたと思って1週間続けてみてください。その二時間ですることは、その日の仕事の確認と準備です。
40歳までに一度は、最低でも3年間、体がボロボロになるまで働くという経験をしてみてはいかがでしょうか?まったく違う人生が待っているはずです。
「絵になる苦労」をしろ。将来の目標を描けなければ、自分の映画は撮れない
相手から「また、会ってみたいな」と思われるためには、自分が楽しむのではなく、相手を楽しませる姿勢で酒を飲むことが肝心
「強気の時は上を見る、弱気の時は他に目を向ける」
「移動距離が人を育てる」自分の知らない土地に実際に足を運び、そこで見聞きした情報や経験は、読書のそれとはひと味もふた味も違う大きな財産になる
数えられないほど、自分を律して社会ででっかい人間になるために大事な言葉が詰まっています。ぜひ味わってもらいたいなと思います。
『地道力[新版] 目先の追求だけでは、成功も幸せも得られない!』國分利治
単行本(ソフトカバー): 253ページ
出版社: PHP研究所; 新版 (2013/8/30)
『地道力』にあう一曲
THEATRE BROOKの『1cmずつ』という曲がぴったりじゃないでしょうか。
1cmずつでも登れるなら
1cmずつでも乗り越えられるなら
今日という日には意味があるのだろう
君の命には意味があるのだろう
上記は「1cmずつ」ではないですが、THEATRE BROOK、熱い曲が多いソウルフルなミュージシャンです。ぜひ、興味があれば聞いてみてくださいね。
『地道力』の目次
まえがき
序章 原点―怠け者から社長へ
①やることなすことすべてが中途半端だった
②「人から使われない仕事ってなんだろう?」
③「要領の良い怠け者」という思い上がり
④憧れのヒーローから受け取ったメッセージ
⑤カバン一つで東京へ
第1章 目標に向かって最短距離を走る―歌舞伎町の美容室での修業時代
⑥「好機」に迷わず手を挙げる
⑦「休む派」と「休まない派」
⑧「頑張る」の最低ラインは「石の上にも三年」
⑨「意欲」と「責任感」を行動で示す
⑩何はなくとも目標を立てろ
⑪目標は小さくてもいい
⑫成長のエンジンをターボ仕様に変える読書術
⑬若い頃は、自分の考えなんか持つな
⑭成功者は時間を銀行に預けている
⑮媚を売るな、情熱を伝えろ
⑯自分が「原因」になれ
⑰朝の二時間が「涼しい顔」をつくる
⑱「誘われたら断らない」は鉄則
⑲四十歳までは「体力勝負」
第2章 三〇〇万円からのスタート―独立、そして、いきなりの挫折
⑳個人店には限界がある
㉑次々と辞めていく若いスタッフ
㉒ビニール傘を買うくらいならゴミ袋を被る
㉓二十万枚!?「ギネス記録」張りのチラシ配り
㉔自分に懸ける勇気を持て
㉕目指すは「信長」と「秀吉」と「家康」を足して三で割った人間
㉖女、酒、賭け事におぼれるな
㉗コンプレックスをエネルギーに
㉘「主演・自分」の映画のシナリオを描く
㉙「好きな仕事」の本当の意味
㉚酒席では「人を楽しませる」ことを考える
第3章 人生をミステリーツアーにするな―新しいビジネスモデルで成功をたぐり寄せる
㉛迷わず「大型店」を選ぶ
㉜真似て真似てその先にあるのが「個性」
㉝あなたは目的地も決めずに旅行に出かけるのか
㉞「△」(普通)の評価は自分を腐らせる
㉟成功者のグラフは「右肩波上がり」
㊱Cランク人間は大化けする
㊲「割り切る」という意識改革
㊳わからないことは人に聞き、決められないことは人に決めてもらう
㊴「裏切り」に強くなれ
㊵成功したければ「言葉」を管理すべし
㊶年収は協力者の数に比例する
㊷くじけそうになったら他に目を向ける
㊸たった一%が勝負を分ける
第4章 移動距離が人を育てる―アースの人財観
㊹十年で100人の経営者を育てる
㊺「人の一生は重き荷を背負って遠き道をゆくがごとし」
㊻百聞は一見にしかず
㊼疲れるのは、仕事が楽しくない証拠
㊽第六感を磨く
㊾「出る杭は引っこ抜く」
㊿攻撃の中にしか守りはない
51 「五分五分以上の勝算があれば、全部勝負する」
52 何でもいいから「結果」を出す
53 すべてのことを数値化して考える
54 限界なんて吹きとばせ
第5章 アースの未来―「百年続く美容室」をつくる
55 温室栽培の経営者たち
56 赤字店舗は敢えて放っておく
57 サービス業の原点は「掃除」にあり
58 オーナーになるための基準
59 一流は「小さなモノの価値」を知っている
60 百年先まで続く美容室をつくるための戦略
61 海外に目を向ける若きオーナーたち
62 心地よい疲労―仕事がもたらすご褒美
63 ビジネスファミリー人は他人のためにしか頑張れない
64 問題をつくるのが経営者のしごと
あとがき
『地道力』の読了時ツイート
16冊目
國分利治『地道力』10億円の豪邸を持ちフェラーリを乗り回す、アースホールディングス豪快社長のイメージと真逆の題名ですが、内容もさらに骨太!人の話を素直に聞く、早起きは三文の徳、絵になる苦労をしろ…今の時代だからこそ大切にしたい仕事の姿勢と経営の本質、そして漢の浪漫。#読了 pic.twitter.com/cu8o70rfmB
— 右脳迷子@読書・音楽・仕事 (@unoumaigo) February 11, 2019